私の両親は老後の蓄えが一銭もなく、生活費も少ない年金だけではまかなえず、一人娘の私に負担がのしかかっていました。
父には糖尿病の持病がありインスリンを打たなければならないほどだったのですが、きちんと食事療法もせず、インスリンも打ったり打たなかったりしているうちに、症状が悪化し脳梗塞を起こし身体の左半分に障害が残ってしまいました。
何とか歩くことは出来ましたが、言葉もろれつがまわらなくなり、痴呆も進行し始め、自分ひとりではトイレに行くにも困難な状態も出ていました。
しばらくは母がひとりで父の介護をしながら、暮らしていましたが母のストレスもピークになり、元々夫婦仲も悪かったことから、母が父のことを叩いたり、罵声をあびせたりが始まりました。
そんなひどい状態が続いたある日父が急に歩くことも出来なくなり、病院に入院することになりました。糖尿病の悪化で腎臓の機能が低下したためでした。
病院に入院したことで入院費の問題や、痴呆の悪化なども始まり大変な状態になりました。
病院は体調がよくなれば退院しなくてはいけませんが、介護度が高くなっている父を母が在宅で介護をすることはとても無理でした。
病院側からの指示で介護認定を急いで受け、主治医の協力もあり父は介護施設に入居することになりました。
介護認定の手続きは早めに進めることが大切です
在宅での介護が無理だと思っても、簡単に介護施設に入居出来る訳ではありません。
役所に要介護認定の申請を出さなければいけません。申請が出されると役所の職員など認定員の人が、本人と直接会って認知の度合いや身体の様子などを確認します。
それと合わせてかかりつけの病院か指定の病院に行き、主治医の意見書を書いてもらわなくては行けません。
私の父のように病院に入院中に要介護認定を受ける場合は、病院の担当の医師が意見書を書いてくれます。認定員も直接病院を訪れ看護師や医師から話を聞きながら認定をします。
要介護認定をもらうポイントは主治医の意見書がとても重要になります。担当の医師に介護施設の入居の相談などをしておくこともとても大切です。
要介護認定が決定するまでに1ヶ月程かかるため、手続きは早めに進めることが必要です。

補足としては、介護認定は申請から1か月程度かかりますが、介護保険の利用は申請まで遡って請求することができます。
要介護の認定が決定したらすぐに施設に入居の申し込み
要介護の認定が決定したら、すぐに施設に入居の申し込みを済ませます。要介護の認定が決定したからと言って、すぐに入居出来る訳ではありません。
ほとんどの施設の場合空きがなく、一年以上も待たなければならないケースも少なくありません。介護施設に入居させることは悪いことではありません。
罪悪感を感じる人も多いようですが、無理をして自分を追い詰め、自分の生活を犠牲にしてまで介護をすることは、介護をする側もされる側にも良い結果にはなりません。
在宅での介護には協力してくれる人や、愛情をどれだけ持てるかがとても重要になります。離れて暮らすことで優しくなれる場合も多くあります。
私の場合も父の介護をする自信は私にはありませんでした。協力してくれる人もいなかったし、一番大切な愛情が私には足りなかったからです。人それぞれ色々な事情があります。

自分を追い詰めないことがとても大切です。
介護施設入居には費用もかかります
介護施設に入居することが出来てほっとしたのもつかの間で、入居に対する費用の心配が出て来ます。
蓄えがたくさんある場合は大丈夫ですが、年金だけの生活の場合だと、かなり厳しい状態になってしまいます。私の両親も蓄えが無かったため、施設の費用を払うことは無理でした。役所に相談し生活保護を申請しました。
何か困ったことがあった場合は、施設のソーシャルワーカーの方に相談すると、色々な相談に応じてくれます。父の場合は様々な問題がいっぱいありましたが、役所や主治医、ソーシャルワーカや保健婦さんなど、色々な方に助けてもらうことが出来ました。
父は介護施設の優しい環境で、生活させてもらえています。親の介護で悩んだら色々な専門の方に相談することです。必ず解決策が見つかります。