医療保険と介護保険は、どちらも社会保険制度の一つになりますが、その特性は若干異なります。

ここでは、医療保険と介護保険の違いについて解説していきます。

ちなみに、ここで言う医療保険は会社で加入する健康保険と、自営業や無職の方などが加入する国民健康保険を指しています。

医療保険と介護保険の違い

医療保険 介護保険
対象者 被保険者全員 65歳以上の要介護者(特定疾病がある場合は45歳以上)
使う理由 病気やケガの治療 要介護者に対しての生活支援
使う内容 風邪、骨折、虫歯の治療など 介護相談、ケアプランの作成、介護施設の利用、訪問介護、福祉用具のレンタルなど
認定制度 なし あり
方針決定 医師 ケアマネなど
保障内容 3割負担(一部対象者は1割・2割負担) 1割負担(一部対象者は2割)
保障の上限 なし あり

対象者や利用する理由が違う

医療保険では「病気やケガ」の方を対象に治療を行うことを目的としていますが、介護保険では「要介護者」を対象に生活支援をすることを目的としています。

介護保険では認定されなければ利用できない

医療保険では、会社の健康保険や国民健康保険に加入している被保険者であれば誰でもいつでも、保険証を窓口で提出すれば保険を利用することができます。

例えば皆さんが風邪をひいて病院に行ったときに、保険が利用できるか医師や看護師にチェックされることなんて無いですよね・・・

一方、介護保険では被保険者であっても、住んでいる市区町村から要介護(もしくは要支援)と認定されなければ介護サービス(介護支援サービス)を受けることができません。

ちなみに、認定の申請を行えるのは第1号被保険者(65歳以上)です。第2号被保険者(40歳~64歳)は、末期がんや関節リウマチなどの特定疾病がある場合は認定の申請を行うことができます。

認定の有無が医療保険と介護保険の一番の違いと言えるでしょう。

困っている女性

介護サービスを被保険者全員が利用できるとなったら財政が破たんしてしまうわ!!

方針決定が違う

医療保険では、通っている病院の医師が治療方針を決定しますが、介護保険では基本的にケアマネージャー(介護支援専門員)が介護方針を決定します。

介護サービスを受ける際は、基本的に介護サービス計画(ケアプラン)を立てる必要があるので、認定を受けたからといって、すぐにヘルパーさんを呼び寄せてサービスを受けるといったことはできません。

ケアプランは本人や家族でも作成可能ですが、専門的な知識が必要になるので、ケアマネジメントを行っている事業所に所属している介護支援専門員(ケアマネージャー)に依頼して、その内容に沿ってサービスを実施していくことになります。

ケアマネにケアプランを依頼しても、その費用の全額は介護保険から支給されます。

解説する男性

ケアマネはケアプランを立ててくれるだけではなく、医師や看護師、介護福祉士などのパイプ役(アセスメント)になるので、要介護者にとって最も身近な存在になります。

保障内容が違う

本人負担

医療保険では保険料の本人負担は基本的に3割ですが、介護保険での本人負担は1割になります。(一人暮らしで年収260万円以上、二人暮らし以上で年収346万円以上であれば2割負担)

保険給付の上限

医療保険では、どれだけ高額の医療費になろうとも保険料の3割負担は変わりませんが、介護保険では保険で給付される上限が設定されているので、上限を超えた費用に関しては全額自腹になります。

ちなみに、保険給付の上限額は、一番程度の軽い要支援1で49,700円、一番重度の要介護5で358,300円になります。(2016年4月4日現在)

保険費用の上限

医療保険の場合は「高額療養費制度」、介護保険の場合は「高額介護サービス費」として、月々の負担の上限が設定されています。(上限金額は収入により異なる)

ただ、介護保険では先ほども言いましたが保険給付の上限があるので、上限を超える分は全額自腹になります。

解説する老人男性

介護保険の方が本人負担の割合が少ないですが、給付には上限があるので高額な介護サービスは利用しにくいです。ですので、上限を超えないようにケアマネと相談しながらケアプランを作成してもらう必要があります。