介護をするにあたって介護保険制度の仕組みを理解しておかなければ損をする可能性があります。

ただ、この介護保険制度はかなりややこしい制度で、しかもおよそ3年に1度は改正されるので、覚えるだけでも一苦労です。

ここでは、介護保険制度の仕組みの概要を出来るだけ分かりやすく解説しているので、これから介護保険制度を利用して介護をしようと思っている方は参考にして下さい。

このページでは概要だけなので、詳細は各カテゴリー内から記事を探してください。

介護保険は社会保険の一つ

介護保険は日本の公的社会保険の一つになるので、「医療保険」「年金保険」「雇用保険」「労災保険」と同じく位置付けで、加入対象者であれば強制加入になります。

介護保険制度が出来た背景

ひと昔前までは、要介護者を介護するのは家族の役目という風潮がありましたが、1963年に「老人福祉法」が制定されたことにより、全国各地に介護施設が誕生しました。

ただ、超高齢化社会が加速していく中で、老人福祉制度や1982に制定された「老人保健法(制度)」では満足のいくサービスを提供することができないということで、2000年から『介護保険制度』がスタートしました。

介護保険制度ができて何が変わったのか

介護保険制度が出来るまでの老人福祉法や老人保健法では、行政機関が使えるサービスを一方的に提供してきましたが、介護保険制度では数ある介護サービスの中から利用者が目的にあった介護サービスを選択できるようになりました。

また、民間の企業が介護保険サービスを展開することが可能になったことで介護事業が活性化したことにより、そこから新たな雇用が生まれており、更に介護職の専門性も高まっています。

解説する男性

何かと批判が多い介護保険制度ですが、昔に比べると要介護者が利用しやすい環境になっています。

介護保険サービスの恩恵

介護保険サービスを受けた被保険者は、受けたサービスの利用料の本人負担は1割のみで、残りの9割は介護保険財政から支払われます。

※2015年の改正により一人暮らしで年収260万円以上、二人暮らし以上で年収346万円以上ある被保険者は本人負担2割

健康保険での本人負担が3割なので、健康保険に比べると恩恵はかなり大きいですが、介護保険では利用できるサービスに上限金額が設定されているので、上限を超えた金額については全額自己負担になります。

ですので、無制限で1割負担になる訳ではないので何でもかんでも介護保険を利用して介護サービスを提供してもらうことはできません。(無駄使いするな!ってことです)

上限金額は介護の認定度合(要支援1,2、要介護1,2,3,4,5)により異なります。ちなみに、一番程度の軽い要支援1で49,700円、一番重度の要介護5で358,300円になります。(2016年4月4日現在)

解説する女性

介護の程度が大きいほど利用できる介護サービスの金額が大きくなるのは当然のことですよね!

介護保険で利用できるサービスの例

  • ケアマネージャに対しての介護相談、ケアプランの作成
  • 特別養護老人ホームなどの生活施設の利用
  • デイサービスなどの施設に通って受けるサービス
  • 訪問介護など自宅で受けることができる介護サービス
  • 福祉用具の利用

介護保険料を支払うのは誰か

老人福祉制度では、その財源全てが税金(公費)でまかなわれていましたが、介護保険制度では税金だけでは運営することが困難なので、税金の他にも保険料という形で財源を確保しています。

介護保険の保険料を支払わなければいけないのは、医療保険に加入している40歳以上の国民です。

ちなみに医療保険には会社で加入する「健康保険」や、自営業や無職の方などが加入する「国民健康保険」も含まれるので、実質的に全ての40歳以上の国民には介護保険料を支払う義務があります。

介護保険を利用できるのは誰か

介護保険を利用するには「年齢」と「状態」2つのハードルを越える必要があります。

年齢

介護保険を利用することができるのは、年齢に関して言えば介護保険に加入している65歳以上の全ての方(第1号被保険者)です。

保険料を支払うのは40歳からなので、40歳~64歳までの方(第2号被保険者)は保険料は徴収されるけど介護サービスを提供してもらうことはできません。

ただ、特例として末期ガンや関節リウマチなどの特定疾病がある方に関しては介護サービスを受ける要件を満たすことができます。

状態

65歳以上の全ての方が介護保険を利用できる訳ではなく、保険者である市区町村から介護が必要と認定されなければいけません。

介護が必要と認定されれば、そこから身体の状態により要介護1~5までの5段階のいずれかに分類され、それぞれに応じた介護サービスを受けることができます。

ちなみに、要介護まではいかないけど、介護が必要になる予備軍の方は要支援1か2に認定され、介護予防サービスを受けることができます。

解説する老人男性

「介護サービス」と「介護予備サービス」では受けることができるサービスに違いがあります